【沖縄の葬儀文化】香典、服装、お悔やみ欄など地域ならではの葬儀マナー


沖縄の葬儀は本州とは異なる独特の慣習や文化があります。
今回は、香典の相場や服装の選び方、そして沖縄特有の「お悔やみ欄」に関するトリビア…などなど、大切な人を見送る際に必要な情報を解説。
沖縄の伝統とともに、知っておくべき葬儀マナーを富士葬祭さんの監修のもと、お届けします。

いくつ知ってる?葬儀に関するアレコレ

早速ですがクイズです!

沖縄特有のお墓はどっち?


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正解は「B.破風墓」!
解説:沖縄のお墓の特徴といえば、まるで家のような形と大きさ。沖縄のお墓が大きい理由は諸説ありますが、「血族が一緒に使う門中墓の伝統」、「台風などの厳しい気候に耐えるための堅牢な設計」…などにあると言われています。沖縄のお墓の大きさは、沖縄の人々のつながりの強さや文化を表しています。ちなみに沖縄のお墓の種類は、「破風墓(はふうぼ)」以外にも「亀甲墓(きっこうばか)」「掘り込み墓」などがあります。(写真:PIXTA写真素材)

沖縄の葬儀でよく目にする、主に男性の参列時の服装は?


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正解は「B.黒色のかりゆしウェア」!
解説:お通夜や葬儀でよく目にする装いといえば黒色のスーツ(女性の場合は黒色の着物、ブラウスなど)が一般的ですが、昨今の沖縄では、黒い布地で縫製された喪服用の「かりゆしウェア」を着用する男性が多くなっています。お通夜や葬儀、法要までタイミングを選ばず、特に夏場に着用できます。(写真:PIXTA写真素材)

沖縄で納骨後にお墓の前で行われる特別な習慣は?


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正解は「A.宴会を開く」!
解説:沖縄の葬儀文化には、納骨後にお墓の前で親族が集まって宴会を開く習慣があります。この宴会は、故人を供養し、親族間の絆を深めるためのもので、葬儀がただの悲しみだけでなく、家族や仲間との再会を祝う場としても捉えられています。これも沖縄のお墓が広い理由の一つです。(写真:PIXTA写真素材)

沖縄の葬儀に関する基本的なルールやマナー

クイズ形式で沖縄の葬儀に関するトリビアをご紹介しましたが、実際に沖縄の葬儀に参列する際のルールやマナーはどうでしょうか?
香典の金額や服装など、基本的なマナーについて知っておくことは、故人やご遺族への敬意を示すために欠かせません。

香典の金額は?

香典は現金を白い封筒に入れて渡し、表書きには「御霊前」や「御香典」と書くのが一般的です。
香典袋や表書きは、故人の宗教・宗派によって異なりますので、事前に調べておくといいでしょう。
また、香典の外袋(水引の下段)には、香典を出す人の名前を記載します。

記載例
個人で香典を渡す場合:名前をフルネームで記載
3人まで:全員のフルネーム
4人以上:代表者のフルネーム+外一同
会社(団体):会社名+代表者のフルネーム+外一同 等

そして、葬儀に参列する際の香典の金額は、親しさや関係性によって異なります。

一般的には、親族や近しい友人の場合は5,000円~1万円程度
それ以外の知人や仕事関係者の場合は1,000円~3,000円程度が相場とされています。


参列時の服装は?

クイズでも紹介しましたが、沖縄は年間を通して温暖な気候であるため、葬儀の際の服装も実用性が重視されることが多いです。喪服としては、黒を基調とした服装が一般的ですが、ジャケットを省略した軽装も許容されることがあります特に夏場は通気性の良い素材を選ぶことが推奨され、暑さに配慮した服装が多く見られます。

<女性の場合は黒のワンピースやブラウス、スカートが一般的で、
男性は黒のシャツや、喪服用の黒いかりゆしウェア、スラックスがよく用いられます。
(中学生、高校生の方が参列する場合は、学校の制服を着用することも。)


参列時の振る舞いとお焼香

沖縄の葬儀では、他の地域と同様に、故人へのお別れや焼香を通して弔意を表します。

焼香の際には、黙礼や一礼をしてから故人に向かい、丁寧に香を焚きます。
遺族や親族への弔意を表す言葉としては「このたびはご愁傷様です」や「心よりお悔やみ申し上げます」といった言葉が一般的です。

葬儀中は静かに参列し、特に遺族が悲しみを抱えている場合は、場の空気に合わせた慎ましやかな態度が求められます。

お焼香の基本的な手順
お焼香の時間が始まると、遺族からお焼香を始めます。
参列者は斎場に到着した順番に列を作り、お焼香を行います。

自分の順番が来たら、
①まずは遺族の方を向いて一礼
②その後、遺影に向かって、お焼香台手前で遺影へ一礼
④それから一歩前へ出て、お焼香を始める

お焼香を終えたら、
⑤一歩下がり遺影に一礼
⑥遺族の前を通る際には遺族へ向かって一礼をして退場

また、葬儀に参列した経験があれば、一度は迷うであろう「お焼香の仕方や回数」。
宗派によって様式は異なりますが、今回は基本的なポイントをご紹介します。

抹香のお焼香の仕方
①抹香をつまむ時には、右手の親指・人差し指・中指の3本でつまむ
②つまんだ抹香を、おでこ辺りまで持ち上げ、拝むように顔を下げる
(ちなみにこの動作を「おしいただく」といいます。)
③おしいただいたら、抹香を静かに高炉へ落とす(=右手側の高炉から左手側へ移動する)

焼香の回数は1回、または3回で、心を込めて焼香しましょう。
ただし、参列者が多い場合は「お焼香は1回のみ」など会場内のアナウンスに従ってください。

沖縄の新聞のお悔やみ欄(お悔やみ広告)

沖縄県内の大手新聞社の新聞紙面で、「お悔やみ欄」というページを目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。

沖縄では、この「お悔やみ欄(お悔やみ広告)」が地域社会の中で重要な役割を果たしており、参列者はお悔やみ欄を頼りに葬儀の日時や場所を確認します。そのため、掲載内容は地域のコミュニティとのつながりを意識した内容になりやすいです。掲載の際は、地域の伝統や慣習に基づき、遺族や参列者の双方に配慮した内容を心がけることが大切です。

このように、沖縄におけるお悔やみ欄は、故人への弔意を広く伝え、故人との最後の別れを共有するための重要な手段です。いつか訪れる大切な人との別れに向けて、掲載時の留意点について簡単にご紹介します。

掲載方法
お悔やみ欄に故人の情報を掲載するには、地域の新聞社に依頼する必要があります
一般的に、掲載依頼は遺族や葬儀社が新聞社の担当窓口に連絡し、掲載したい内容を伝えます。掲載項目には、故人の名前、享年、葬儀の日時・場所、喪主名などが含まれることが多いです。依頼の際は、情報の正確さを確認し、遺族の意向に沿った形で適切に内容をまとめることが大切です。
※詳細は「〇〇〇(新聞社名) お悔やみ欄 掲載方法」で検索ください。
掲載時の留意点
①掲載内容の注意
お悔やみ欄に掲載される情報は、公に共有されるため、故人や遺族が不快に感じないよう、配慮した表現を用いることが大切です。たとえば、故人への敬意を示す言葉や、過度にプライベートな情報を避けることが求められます。
②情報の正確性
故人の名前や日時、場所など、特に重要な情報は何度も確認しましょう。これにより、参列を希望する人々に正確な情報を届けることができます。
③掲載タイミング
お悔やみ欄は、葬儀の日程が決まり次第、速やかに依頼を行い、参列者が十分に情報を受け取れるように早めの掲載を心がけます。
④新聞だけでなくウェブ掲載も視野に
新聞よりもインターネットでの情報収集が主になりつつある昨今では、ウェブ版のお悔やみ広告を活用する方も少なくありません。スマートフォンやパソコンからいつでもアクセスできるため、葬儀の日時や場所を即座に確認できます。これにより、急な訃報にも対応しやすくなり、遠方の親族や友人でもタイムリーに情報を受け取ることができます。

紙面へ掲載することで訃報を一度に大勢の関係者に伝えることができる「お悔やみ欄」。
便利な一方で、関係者を除いた不特定多数の方々にも個人情報が伝わる可能性もあります
掲載の際は、故人の意向を尊重し、ご家族みなさんでよくご検討のうえ、ご活用ください。

ファミンチュクラブ「くくる葬」

突然やってくるその日。深い悲しみの中で進めなければならないのが葬儀に向けた準備です。
ファミンチュクラブ「くくる葬」は、ご家族のお気持ちに寄り添うと共に、故人の人生を象徴するべき式典へ富士葬祭ならではの豊富なオプションを組み合わせ、幅広いプランでご提案します。

自由に選べるオプション

病院からの搬送・棺・ご安置・骨壷・霊柩車を含む基本プラン72,000円に遺影写真などを含む8つのオプションをプラスすることで、お通夜ではご家族のみで故人のお好きだった音楽をかけたり、お好きだった食べ物をお供えし、じっくり語りあえるお時間を過ごしていただき、告別式では親しかったご友人たちとお見送りできる充実したプランの一例です。


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まとめ

沖縄の葬儀は、地域特有の文化や風習が反映されたものです。
香典の渡し方や服装選び、さらにはお悔やみ欄の使い方まで、他地域とは異なる部分が多くあります。

今回ご紹介した内容を参考に、沖縄独自の葬儀文化を理解し、いつか訪れるその日に、大切な方を丁寧に見送るための準備をしてみてください。