初めての身内の不幸
その時、どうした？

國吉さん
私は父が6年前に亡くなったんだけど、その時は病院でもう流れるような感じで手配してもらって・・。今になって思うと、もっとああすれば良かった、こうすれば良かったって思うことはある。でも、父が闘病している時はなんか、準備するのが悪い気がして。

吉川さん
僕の母親も一度ちょっと危ないかもってなったことがあって、今は元気なんだけど、その時、写真とかを準備しようと思っても、本人に聞くわけにもいかなくて。

國吉さん
わかる（笑）。

比嘉さん
身内が急に亡くなるたびに、やっぱり準備しておいた方がいいのかなーって思うことはあるよね。

國吉さん
私は自分が死んだら、骨は海に撒いてほしい。お墓も仏壇もいらないから、命日にみんながちょっと思い出してくれるくらいの感覚が理想かなって。

吉川さん
僕は地元が渡嘉敷なんだけど、お墓となると色々厄介で。でも親父も島のことを好きなのがわかるんで、何とかしてあげたいなと。

古波蔵さん
うちは親父が自分でお墓を購入して、シーミーの時に「墓はここだからな」って言われて、自分もここに入るんだなって漠然と思った。

比嘉さん
こうなってくると、家は誰に譲るかとか、保険も見直さないといけないとか、携帯にいろんな情報入っているから、一応嫁さんには伝えておかないとなとか、色々考えるね。

終活について考えたことってある？

國吉さん
デジタル終活、大事だね。

比嘉さん
ひとまず、ここに全部あるよ、パスワードも、通帳もって。写真に撮ってわかるようにはしてる。

國吉さん
娘と話したんだけど、生前葬っていうのもいいんじゃない？

比嘉さん
新しいな（笑）。

國吉さん
生前葬なら会いたい人に招待状を出して「今までありがとう」って言えるじゃない？死んじゃったらわからないじゃない。

吉川さん
それって、亡くなってからは葬儀はしなくていいってこと？

比嘉さん
亡くなってから集まるより、生きているうちに集まってもらった方が色々話もできていいよね。

古波蔵さん
みんなよく考えていて凄いなって思っちゃった。自分は娘が一人だから、自分に何かあったら娘に全部やらせるのが大変だなって、そこで思考が止まってる。それでも負担かけたくないから、何かやっておかないととは思うんだけど、何からやればいいかわからない。

比嘉さん
やっぱり葬儀屋さんを決めとくとかかな？でも自分は葬式って悲しむんじゃなくて、来た人が酒でも飲んで楽しんでくれたらいいなって思うな。

國吉さん
今は昔と違うなって感じるのは、新聞のお悔やみ欄を見る人が減ってるのと、コロナがあったから家族葬とかが凄く増えてて、本当は行きたいけど、来ないでくださいっていうのが多いから、それはそれでありかなって思うよね。

比嘉さん
ネットでお悔やみ情報見るとかね。そのうちSNSで「亡くなったよ」って伝えることになりそう。

吉川さん
家族葬って言われても沖縄のお年寄りって来ちゃうよね（笑）。

國吉さん
そうそう、沖縄の人って義理堅いの

比嘉さん
ま、でも家族葬ならそれなりに小さくなるから、来たら来たで対応するで、僕はもうそれでいいと思うんだけど。

古波蔵さん
うちの嫁の集落はそんなに繋がりがなくても、もうご近所さんはみんな来る。

吉川さん
ちょっと、家族葬なんで帰ってもらえますか？なんていえないしね。

國吉さん
そういえば、父が亡くなった時、葬儀社の人が本当に良くしてくれて、何でもやってくれたんだけど、「どのプランにします？」って聞かれた時、なかなか選べないよね。だから結局全部“中”にした。

吉川さん
やっぱりそうなるよね。

國吉さん
ちょっとリアルだけど、棺もやっぱり布がかけられている方がいいんじゃないかとか、骨壷もね、色々ランクがあるんだけど、結局選ぶのは真ん中（くらいの金額）で。

比嘉さん
やっぱりこれはもう死ぬ前に自分で決めておいた方が良くない？葬式って確かにお金をかければかけるほどいいものにはなると思うよ。でも残された家族のこと考えると、あまり高くなくていいよっていうのが本音だね。